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おもちゃのCHU-CHU-CHU★

第14章 盗み聞き。


「「こんなの初めて」は"お約束"だからねぇ……」

「あはっ! 言えてる。まあ、俺達も言うしな。「今まで、色んな女を抱いて来たけど、君が一番だよ」っとかね!」

「それで、円滑に進むんなら、それでいいんじゃないかなぁ。どうせするなら、心も気持ち良くなりたいもんねぇ」

 高槻さんがいないから、気楽なのだろうか。その後も、皆さんの口から飛び出てくるのは下ネタのオンパレード。聞いているこっちが恥ずかしくなる。仕事中なのに、この人達大丈夫なんだろうか。

 そんな事を考えていると、突然、平川さんの口から再びアタシの名前が飛び出てきた。一体、何の事だろう。他の事を考えていて、話の流れを掴み損ねた。

「でも、たまちゃんに言われたら、間違いはないよね」

「そりゃあ、モリリンの場合、全てが初めてだろうから……。って、王子はモリリンの事、狙ってんの!?」

「どうだろうね?」

「えー!? 平川さんなら、より取り見取りじゃないですか! 何で森脇!?」

 煩いよ、下出。アンタは確かにイケメンで優秀かも知れないけど、アタシはアンタを絶対に許さないんだからね!

 でも、平川さんが何と答えるのか、気になるアタシは耳をそばだててカーテンの向こう側に意識を集中させる。

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