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おもちゃのCHU-CHU-CHU★

第15章 池田悠と言う男(その2)。


 医者と言う肩書のお陰だろうか。俺の適当な嘘は、そのままあっさりと信じて貰え、AD部への地下への扉を開けて貰えた。

(しかし、何でこんなに出入りが厳しいのかね?)

 そう考えてみるが、恐らくAD部の連中逢いたさに、女子社員が訪れるのを懸念しての事なんだろうなと直ぐに答えが出る。

 煌々と青白い蛍光灯の光が、白い壁を照らしている長い廊下。その左右には幾つもの扉がある。地下階は全てAD部の管轄らしいのだが、たった七人の部署なのに、何を管理しているのだろうと不思議に思う。まあ、殆ど部外者と言っていい俺には関係のない話か。

 俺は目当てのAD部のプレートが掲げられている扉を目指して、ゆっくりと歩く。手には坂内部長への書類を持って。

 そしてAD部の扉の傍まで近付くと、中から女性の艶めかしい声が聞こえてきた。

「ああんっ!! やぁっ……!! 駄目ぇ……」

 この地下階で女性の声がするとするならば、この声は間違いなく森脇さんの声だろう。そして、これは間違いなく、彼等に性的な悪戯をされている声だ。

「あっ……あっ……やぁ……んっ」

 ガタガタと机や椅子が揺れる音。森脇さんの喘ぎ声。恐らくはサンプルのモニタリングなのだろう。この部署はそれが仕事なのだから。

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