おもちゃのCHU-CHU-CHU★
第17章 桜の花弁舞い散る夜にアタシの花弁は濡れそぼる。
「下出君、森脇さん。我がAD部へようこそ。慣れない事も、戸惑う事も多いかも知れない。そう言う時は一人で悩まないで、相談して欲しい。一緒に考えて、一緒に前に進もう。僕はこの七人なら出来ると考えている。それじゃあ、今夜は上司、先輩関係なく、楽しんでくれ。乾杯!」
坂内部長は、そう言うと手に持った缶を掲げる。アタシ達もそれぞれ手にしている飲み物を掲げ、「乾杯!」と声を掛け合い、そして缶やコップを合わせた。
アタシも隣の坂内部長と高槻さんにコップを合わせ、乾杯する。そして、平川さんが作ってくれたカシスオレンジを一口飲んでみた。
(甘くて美味しい!!)
ベタベタした甘さじゃなくて、スッキリした味わいなのは、オレンジジュースを使っているからなのだろうか。これなら、幾らでも飲めそうだ。お酒と言えば、ビールかワインか日本酒しか知らなかったアタシには、新しい驚きだった。
唯、甘くて口当たりが良くても、これはアルコールなのである。弱いアタシがそれを大量に飲めば、どうなる事か。もう少し考えるべきだった。
一杯目を飲み終わった時点で、頭がふんわりふわふわし始めていた。自分ではちゃんと座っているつもりであったが、そうではなかったらしく、高槻さんに凭(もた)れてしまっていたらしい。