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おもちゃのCHU-CHU-CHU★

第17章 桜の花弁舞い散る夜にアタシの花弁は濡れそぼる。


「皆にバレてしまったんだ。声を我慢しなくてもいいぞ? ああ、でも知らないヤツに聴かれてしまうかも知れないな」

 そう言って高槻さんが耳元でクスクスと笑う。漏れる息が首筋に掛かり擽(くすぐ)ったい。アタシは首を竦めながら身を捩った。高槻さんの吐き出す息が肌を掠めるだけでも、感じてしまいゾクゾクと肌が粟立つ。

「高槻さん、モリリンの胸、俺が攻めてもいいですか?」

 山岡さんはアタシの隣に座ると、高槻さんにそう尋ねた。高槻さんが頷くと下出も便乗して「俺も」とアタシの隣に座り出す。

(嫌だ。下出になんか触られたくない!)

 酔っ払って理性がなくても、嫌なものは嫌だと分かる。アタシがイヤイヤと首を振ると、川上さんが何かを察してくれたのか、「先輩を差し置いちゃあ駄目でしょ?」と言って下出の場所を自分に譲らせた。

 下出は「無礼講なのに」とぶつくさ文句を言っていたが、先輩には逆らえない。アタシは心の中で「ざまあみろ」と思う。それでも、下出が川上さんに替わっただけで、現状は然程変わらないのだけれど。

 どうせなら指ではなく、舌で優しく攻めて欲しい。アタシは高槻さんの腕を掴むと、口で可愛がって欲しいと強請ってみた。

 高槻さんは、口の端を吊り上げると、「仕方が無いな」と言いながらも、アタシを木の幹に寄りかからせるようにして立たせた。

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