おもちゃのCHU-CHU-CHU★
第17章 桜の花弁舞い散る夜にアタシの花弁は濡れそぼる。
アタシは夢中で山岡さんの舌に自分の舌を絡めた。山岡さんは、ふと目を細めると、それに応えてくれる。
唇が離れると、山岡さんは「上手だよ」と言って褒めてくれ、頭を撫でてくれた。それだけで、嬉しくて。この気持ちは何なのだろう。認めて貰えて嬉しいのだろうか。
何を? 女としての自分を? キスが上手い事を?
分からない。分からないよ。山岡さんの気持ちが。そして、自分の気持ちが。でも、何となく答えが見えてきた様な気がする。
それに明確な答えと名前が付くまであと少し。その時は、もうすぐそこまで来ていた。