おもちゃのCHU-CHU-CHU★
第17章 桜の花弁舞い散る夜にアタシの花弁は濡れそぼる。
「好きな男に、他の男に感じさせられているところは見せたくないものでしょう? ヤマに見られたくないって思ったのは、多分、たまちゃんがヤマの事を好きだからだと思う」
平川さんにそう指摘されて、今までの事がストンと腑に落ちた気がした。「妹」と言われて胸が痛かったのは、異性として見られていない苦しさから。山岡さんに恋をしているから、高槻さんに乱されている姿を山岡さんに見られたくなかったのだと。
でも、それが分かったところで、どうにかなるワケでもない。だって、女として見られていないんだもの。
「ヤマに女の子として意識されたい?」
平川さんがアタシの顔を覗き込んで尋ねる。平川さんの瞳に映っているアタシの顔は、戸惑っていた。嫌われているのでなければ、今のままでも十分ではないのだろうかと。そんな事を考えていると、平川さんがとんでもない事を言い出した。
「提案なんだけど、ヤマに女の子として意識させる為に、僕と付き合ってみない?」
「へ?」
「勿論、たまちゃんの気持ちは分かってる。だから、"付き合ってる振り"だよ? その間に男との付き合い方をいろいろ教えてあげる。悪くない話だと思うけど、どうかな?」