
おもちゃのCHU-CHU-CHU★
第20章 アタシのお仕事とパートナー。
平川さんが、お茶を自販機に買いに行ってくれている間に、アタシは自分が使った器具を除菌クリーナーで綺麗に拭く。いつもは皆さんが後処理をしてくれていたんだよね。まあ、気絶するくらいまで攻められていれば、自分で片付けたくても出来ないのだけれど。今日はそこまで攻められていないから、自分の事は自分でやろう。
拭き終わった器具を殺菌庫に入れ、ベッドの上で平川さんを待っていると、背後でバサッとカーテンが開く音がした。平川さんは「お待たせ」と言って、アタシに冷たいお茶のペットボトルを差し出してくれる。平川さんは自分でコーヒーを淹れてきたらしく、マグカップを持っていた。ヘッドボードに背中を預け、二人並んで休憩する。
(あれ? そう言えば、アタシって平川さんが苦手だった筈なのに……。二人でいるのに緊張してない……)
朝から痴漢に遭遇したり、公園で平川さんにキスされて、それを園児達に見られたりで気を取られていたせいか、平川さんに対しての苦手意識が薄くなっている事にふと気付く。
公園でキス……。
突然、その事を思い出して顔が熱くなった。最初は軽く触れるだけだった口付けが、段々深くなっていって頭がぼーっとなった。逃れようとしても逃がしてくれなくて……。胸が苦しかったのは、アタシが山岡さんを好きだから? 罪悪感で苦しかったの? それとも……。
ふと隣に座る平川さんを見る。整い過ぎた綺麗な横顔。この人とキスしちゃったんだ。平川さんは、何でアタシにキスしたんだろう。偽物の恋人なのに。好きでもないのに、そう言うの平気なのかな。平川さんの気持ちが分からない。いや、処女のアタシが男の人の気持ちなんて分かる筈がないんだけど。
