おもちゃのCHU-CHU-CHU★
第21章 初めてのご奉仕。
やっぱり、川上さんがお勧めしてくれた、「MOMI-ブラ」を社販で買おう。胸が大きくなるって言っていたし。アレなら音もしないから、家でも着けていられるし。いつも着けていれば、アタシの様な扁平胸でも、少しは成長するかも知れないもんね。そしたら、山岡さんも少しはアタシの事を"女"として見てくれるだろうか。
川上さんに「自信を持て」と言われたけれど、持てないのは自分で努力をしていないから。根拠のない自信って、唯の勘違いに見えるんだもの。だから自信が持てるようになるように、自分自身でも努力をしなくちゃ駄目なんだと思う。頑張ったらその先に何か別の世界が見えるのかも知れない。努力をしなくても結果を出せる人なんて、ほんの一握り。殆どの人は陰で努力をしているんだ。恐らく、平川さんだって。容姿は生まれついた物だけれど、それと仕事が出来るのは、また別の話だ。
努力をしたって報われないのだから、やるだけ無駄だと逃げていたアタシ。でも、そうじゃない。大切なのは、努力をする過程。胸が大きくなったとして、それでも好きな人に振り向いて貰えなくても、嘆く事はないんだ。だって、「胸が大きくなった」と言う結果は残るんだもの。でも、本当に大きくなるかは分からないけど。何も残らないのが嫌で、何もしない事よりも、何も残らなくても、何かを努力する方が、きっといい方に向かうんだ。
ネガティブだったアタシが、かなり前向きに考えられるようになったのは、恋をしたから? それとも、そうなるようにAD部の皆さんが導いてくれているから? 多分、どちらもそうだろうと思う。
平川さんのパーフェクト・ボディを目の前に、努力を誓うアタシなのであった。