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おもちゃのCHU-CHU-CHU★

第21章 初めてのご奉仕。


「それじゃあ、たまちゃん。使い方を説明するよ?」

 平川さんにそう言われて頷くアタシ。平川さんは自分が装着しているオモチャを使いながら、説明を始める。

「この手首の所に二重になったリストバンドみたいなのが付いているでしょう? ここに付いている赤い石……と言ってもプラスチックだけど、それを一回押すと動き始めるよ」

 そう言われて、アタシは自分の"ぬこにゃん"の手首部分のリストバンドに付いている赤い石をポチっと押してみる。すると掌に細かい振動が伝わってきた。

「わわっ!!」

 突然、動き出したそれに、驚きの声を上げると、平川さんがクスッと笑う。そして、リストバンドに付いている、違う色の石の説明を続けた。

「青い石を押すと、振動のスピードが速くなって強くなるよ。隣の緑の石は、逆にスピードが遅くなって弱くなる。止める時は緑の石を長押しすると停止するよ。簡単でしょ?」

「あ、はい……」

「それでね、それを動かしながら、相手の身体にタッチするんだ」

 そう言って平川さんが、アタシの脚に触れた。弱い振動で触れられると、ちょっぴり擽(くすぐ)ったいのは、もふもふの毛が微細に肌を擽るからだろうか。右手と左手はそれぞれスイッチが付いているので、強弱を変えて楽しむ事が出来るらしい。押すだけだから簡単なんだけど、もふもふしているから、少し押し難いかも。しかも、肉球が付いているから余計に。アタシがそう言うと、平川さんは一度"ぬこにゃん"を外して、アタシの意見をノートパソコンに打ち込んだ。そして、「意見を聞かせてくれて有難うね」と言って笑った。

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