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おもちゃのCHU-CHU-CHU★

第22章 川上達哉という男(その2)。


 中でも、ヤマには変化があった。アイツ自身は気付いていないかも知れないけど。妹ちゃんが居るから、元々面倒見はいいヤツではあるけれど。朝の苦手なアイツが、モリーの化粧直しをしてやる為に、わざわざ早く出社したり、モリーの処女は好きな男に捧げて欲しいから、絶対に手を出さない様に皆に進言したり、何かと彼女に世話を焼いている。今まで部署に配属になった女の子の面倒をそこまで見ていた事なんてないのに。まあ、彼女達とモリーとでは、全然タイプが違うからなんだろうけど。モリーってなんだか構いたくなるんだよねぇ。

 この部署に希望を出して来る女の子達って、俺達の外見だけで寄って来ていた。「見た目のいい男達とエッチな事をして給料が貰える」と言う程度の認識で来る、淫乱肉食系女子ばかりだった。でも、俺達の部署ってエッチな事ばかりをしているワケじゃない。「売れる商品を作る」為に集められているんだ。エッチな事ばかりは積極的で、商品の企画を考えない。そんな人間に、給料を払う程、会社だって余裕があるワケじゃない。

 俺達も、仕事をしない女の子に興味はないし、優しくする気もない。ヤマはそこら辺はハッキリしていた。じゃあ、モリーは何なのか? 坂内部長が人事部にゴリ押ししたらしいんだけど、正直言って、何も知らないし出来ないモリーが、少数精鋭のAD部でやっていけるのか!? って最初は疑問に思った。しかも、処女。使える器具が限られて来る。俺がそう思っていると、王子に「そう言う子にも使って貰えるオモチャを作るのが目的なんじゃないか」と言われ、成程、そうなのかと納得したけど。

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