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おもちゃのCHU-CHU-CHU★

第24章 甘美な治療。


「さて……、貴女はどんな治療をお望みですか?」

 先生は、アタシの上に覆い被さると、ゆっくりと脇腹や腰を撫でながら尋ねる。どんな治療って……。先生って結構、意地悪!?

「恥ずかしがっていては、分かりませんよ? 患者さんと一緒に患者さんが頑張る事の出来るプランを考える事も医師としては大事な務めなので、訊いているのです」

 先生の言葉に、池田先生は患者さんを第一に考えるお医者様なんだなと、尊敬の念を抱く。アタシが黙っている間、先生は触れるか触れないか微妙な距離を保ちながら、アタシの肌を擽(くすぐ)る様に撫でる。

「言って下さらないと、強引に治療を進めてしまいますよ? いいんですか?」

 そう言って先生がアタシの顔を覗き込むので、アタシは「お任せします」と告げ、先生を見つめ返す。池田先生はアタシの視線を目を細めて受け止めると、「辛くなったら言って下さいね?」と言ってアタシの頬を撫でる様に手を添えると、ゆっくりと唇を重ねてきた。アタシは今度は吃驚せずにそれを受け止めると、目を閉じ先生の治療に身を委ねた。

 そして、ハッとした。アタシってば泣いたから、顔が物凄い事になってない!? 公園とか車の中は暗かったから、未だ良かったけれど、ここは灯りが煌々と点っているのだ。ひょっとして、お化けみたいな顔を先生の前に晒してるんじゃないの!? ヤバイ! 非常にヤバイですよ。

 アタシは閉じた目をパチリと開けると、先生の動きが、ピタリと止まる。「どうしたんです?」と尋ねられ、アタシは顔を掌で隠して、泣いたから顔が危険な事になっていると答えると、先生はキョトンとした後、お腹を抱えて笑い出した。

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