おもちゃのCHU-CHU-CHU★
第25章 良薬、口に苦し。
飲み込むのを躊躇(ためら)っているのか、顔を上げた彼女の両頬は膨らんでいた。まだその口の中に俺の吐き出した白く濁った薬液を溜めているのだろう。飲ませるのは可哀想か。そう思ってティッシュペーパーを探している間に、"ゴクン"と彼女の喉が鳴った。
「ううー……。やっぱり……苦い……」
飲み下した後に、彼女は眉根を顰めてボソッと零す。最近では自分で出す暇もなかったから、俺の精液はきっと濃かった筈だ。味もきっと……。俺は慌てて冷蔵庫から、ミネラルウォーターのボトルを取り出すと、グラスに注いで彼女の許へと戻る。俺がグラスを差し出すと、彼女はそれを無言で受け取り、ゴクゴクと喉を鳴らして水を一気に飲み干した。そしてグラスをテーブルにコトンと置くと俺を見て、「次はもっとゼリーの量を増やして下さい」と言ったのだった。
"次は"と言う事は、この治療を続けてもいいと言う事か? 俺は嬉しくなって、膝の上に彼女を載せると、勿論だと答える。一回りも年下の女の子の言動に一喜一憂する自分が可笑しい。そして認めざるを得ない。自分が彼女に対する気持ちは恋愛感情のそれである事を。"傍に置きたい"のではなく、"傍に居たい"のだと。そして彼女にもそう思って欲しいのだと。
俺は薬の投与は終わったから、今度は身体の治療をしようと言って、彼女をソファへと押し倒した。俺はAD部の連中と違って、しょっちゅう彼女に会えるわけではない。だから、一緒に居られる時間は貴重だ。押し倒された彼女は慌てていたけれど、俺の手が彼女の肌を撫で、唇が胸の尖りを捉えて弄び始めると、甘い声を出して身体を震わせる。俺は、彼女を家に送り届けるタイムリミットまで、森脇さんの身体を堪能したのだった。