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おもちゃのCHU-CHU-CHU★

第27章 アタシの気持ち(その1)。


 平川さんは、既に来ており仕事を始めていた。アタシは自分の席に座ってパソコンを起動していると、隣の川上さんが「色々と災難だったねぇ」と言って慰めの言葉を掛けてくれた。山岡さんの方をチラっと見ると、書類やらオモチャのサンプルなんかを鞄に詰め、「それじゃあ、行ってきます」と言って立ち上がった。「今日、ヤマは終日外出だからねぇ?」と川上さんがのんびりした口調で教えてくれる。ああ、そうなのか。でも、一度も目を合わせてくれないなんて寂しいなと思った。

 パソコンが立ち上がったので、社内システムにアクセスし、今日の皆さんの予定を確認する。山岡さんの欄には、打ち合わせ先の会社名がズラっと並んでいる。他の皆さんは社内でのお仕事らしく、特に何も記載されていなかった。アタシがパソコンの画面を見ていると、川上さんが小声で「そう言えば昨日の騒ぎ、聞いたよぉ?」と耳打ちしてくる。そして、「研修始めよっか」とわざとらしく大きな声で言うと、アタシの腕を引っ張って、他の部屋へと移動した。あの、取り調べ室みたいな部屋に。

 川上さんは、部屋に入ると後ろ手でドアを締め、詳細を説明しろと言った。アタシは何と言っていいのか分からなくて、押し黙る。すると川上さんは、「言わないとオモチャ攻めするよ?」と脅しをかけてきた。アタシは慌てて、何を話していいか分からないから、訊きたい事を質問して下さいと伝える。川上さんは、アタシの向かい側に座ると、暫く考えてから、口を開いた。

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