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　しかし、面接での彼女は散々だった。上り症な為に言葉で上手く表現出来ない。質問にも答えられない。「筆記試験が良くてもこれでは……」と誰もが思っていた。だが、僕はピンと来るものがあって、彼女をゴリ押しした。

　初日に色々な事があって辞めそうだった彼女だが、元々頭の良い子である。得手不得手はあるが、のみこみは案外早い。相変わらず大人しくはあるが、最近は少数の前では自分の意見も言えるようになってきたようだ。初日に逃げだしたサンプルのテストも、今ではきちんとこなして意見を出している。

　他のメンバー達も、彼女が入社して来てからインスピレーションが働くのか、色々な企画も上がって来ている。"男性経験のない女性向けのオモチャ"が多いのは、森脇さんを意識しているからなのだろう。新たな市場拡大への意欲を見せている。下出君と森脇さんが配属された事で、新しい風が吹いているのを僕は感じていた。

　正直言って、若い連中が羨ましい。モニタリングで、彼女に淫らな行為が色々と出来るのだ。僕がもう少し若くて、バツイチじゃなかったらなぁなんて思ってしまう。ヤマに化粧の仕方を習い、日々美しく成長している森脇さんだが、僕はどちらかと言えば、前の野暮ったい彼女の方が好きだったりする。彼女はこれから恋をして、どんどん綺麗になって自信もつけて変わっていくのだろう。でも、出来れば今の純粋さは失くさないで欲しいなと思う。