おもちゃのCHU-CHU-CHU★
第29章 処女なのにGスポ開発!?
アタシは物珍しさにキョロキョロとしながら、山岡さんの隣に座る。すると肩を後ろに引かれ、視界がぐるんと変わった。何と、天井には鏡が!! その鏡には、アタシの上に圧し掛かる山岡さんの背中が映っている。
(ええぇぇぇぇぇ!! 上に鏡があるって事は、エッチな事をしている時、見えるって事!? 恥ずかしくないの? ってか見たいものなの?)
アタシがピキーンと固まっていると、山岡さんはアタシの見ている天井を見上げて、「ああ」と納得した様だった。「やっぱ、恥ずかしい?」と訊かれて、アタシはブンブンと首を縦に振る。「あれ? 今度は横には振らないんだ」なんて山岡さんが笑う。
「でも、なんで撮影のスタジオなんて……?」
「よく分からないけど、AVの企画会社とかにウチの商品を使って貰う事があるからって聞いたけど、多分、副社長の趣味」
「副社長?」
「そ、AD部を起こした張本人。でも、俺も顔を見た事がないんだよね。かなり謎な人だよ」
(え……。そんな謎な人が役員の会社だったの!? 普通の会社だと思ってたのに……)
「あれ? モリリン、かなり不安な感じ? 眉が下ってるぞ!」
そう言うと山岡さんは、アタシの垂れた眉毛を押し戻そうと親指でグイグイ押し上げる。「あ、やべっ。眉毛剥げた」とか言いながら。
「大丈夫だよ。他は"まとも"だから。AD部の連中だって、結構まともだろ?」
いや、まともなんだろうか? "まとも"って何だっけ? いや、アタシも"まとも"じゃないのかと暫し考え込む。