おもちゃのCHU-CHU-CHU★
第30章 高槻雅史という男(その2)。
結果、悪ふざけが過ぎた私は、坂内部長にこっぴどく叱られる事になった。三十路の男が、いい年こいて地面の上に正座をさせられる等、屈辱もいい所だが、自分が悪いと認識しているので仕方が無い。恥と引き換えにしてもいいと思える程、私にとって森脇 珠子は魅力的なのだ。
その森脇と、花見以来の戯れの時間。心が躍らずにはいられない。どんな風に攻めてやろうか? 昼休みの間、そんな事ばかりを考えてしまう。随分と長い間、忘れていたこのワクワクと躍る気持ちは一体、いつ以来だろうか。
私は食後に運ばれてきたコーヒーの残りを飲み干すと、足早に事務所に戻るのだった。