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おもちゃのCHU-CHU-CHU★

第30章 高槻雅史という男(その2)。


(ああ。それは分かっているよ。すまない。これは私の趣味だ)

 責任感と言う物が出て来たのであろう。以前は、色んな事から逃げていた森脇であるが、徐々に逃げ出さなくなってきた。仕事は仕事だと受け止めて、それを全うしようとする姿勢が見られる。森脇が逃げ出さなくなったのは、彼女の心の持ち様もあるだろうが、山岡や平川、そして川上が、彼女の心のケアをする様になったのも大きな理由の一つである。特に平川は、振られたのにも関わらず、森脇に対する好意を隠しもせず、出し惜しみもしない。森脇の為なら何でもしたい。その気持ちが行動に表れている。果たして森脇は、それをどう受け止めているのか。気になるところではある。

 「それはどうだろうか? 確かに君は逃げなくはなった様だが……。私に対する態度は逃げ腰だろう?」

 「そんなつもりは……」

 「君には"そんなつもり"はなくても、私は感じているよ。だから、悪いとは思うが拘束させて貰った」

 私はそう言いながら、森脇の頭を撫でる。次いで頬を。顎を。そして首筋を。肌理細やかな肌触りを楽しむ。緊張しているのか、身体がまだ強張っている様だ。これでは濡れていないだろう。私は彼女の官能を引き出す様に、森脇の身体をゆっくりと撫でまわす。

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