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おもちゃのCHU-CHU-CHU★

第5章 平川拓斗という男(その1)。


「若い子は抑えが効かなくて困るねぇ……」

「まあ、それくらいの性欲がないと、この部署では務まらないでしょ。サンプルが一度に上がってきたら、何回抜かなきゃならないと思ってんの?」

「それもそうだねぇ……」

 そんな事を言いながら、オフィスにいた先輩達が、アタシを拘束していた手脚のバンドを外してくれる。

 のんびりした話し方をする先輩の方が、川上 達哉(カワカミ タツヤ)さん、もう一人が、山岡 一徹(ヤマオカ イッテツ)さんだと、バンドを外しながら自己紹介をしてくれる。

 アタシの手脚が自由になると、今度こそ膝から崩れ落ちる。それを先輩達が抱き止め、オフィスのベッドへと連れていってくれた。

 アタシがベッドで横になっている間、下出は備品庫で高槻さんに説教を喰らう事になったらしく、高槻さんの冷たくネチネチとした言葉が聞こえてくる。

 きっと下出は小さくなっている事だろう。それを想像するといい気味だと思い、ちょっと笑ってしまった。

「良かった。笑えるなら大丈夫そうだね」

 そう言うと平川さんは、ベッドの端に腰を掛けて、よく冷えたペットボトルのお茶を手渡してくれる。アタシは身体を起こして、それを受け取ると、はたと自分の姿に気付いた。

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