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おもちゃのCHU-CHU-CHU★

第35章 忙しい連休(その1)。


 「好き……だよ。もう、自分の気持ちを誤魔化せない。俺はモリリンが好きだ。"妹みたい"だなんて思ってない。抱き締めて、キスしたい……。ずっとモリリンに触れていたいくらい……」

 そう言うと山岡さんは、アタシの頬に触れた。山岡さんの真剣な目にジッと見つめられて、アタシの心臓は壊れそうなくらい、暴れ出す。ど、どうしよう。何か言わなくちゃ駄目だよね。そう思って唇を動かそうとするけれど、緊張し過ぎて声が喉に閊(つか)えて出て来ない。

 「アタ……アタ……アタタタタ……」

 何とか「アタシも」と言葉を紡ぎ出そうと試みるも、盛大に噛んでしまった!

 (ちょっ!? アタシってば何を言ってるの!? これじゃあ、格闘漫画の台詞みたいじゃない!!)

 自分で自分にツッコミながら、もう一度気持ちを伝えようと口を開くけど、結果は同じで、また噛んでしまった。これじゃあムードが台無しだよ……。

 とほほな気分で俯くと、山岡さんは「やっぱ、モリリンは可愛いっ!!」って言って、ギュッとアタシを抱き締める。

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