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おもちゃのCHU-CHU-CHU★

第36章 幸せな痛み。


 山岡さんの分身に力がなくなると、山岡さんはアタシの中から出ていった。それが何だか寂しい。けれど、アソコに感じる異物感が、山岡さんを受け入れた事実として身体に残っていて。それが、とても幸せな気持ちにさせてくれた。未だ、痛いのだけれど。その痛みすら、愛しく思えた。だって、山岡さんがアタシの身体に刻んでくれた、痛みだから。

 「モリリン、大丈夫か? 慣らしたつもりだったけど、結構、血が出ちゃったな……」

 山岡さんは、アタシのアソコを拭きながら、そう言って溜息を零した。アタシに痛い思いをさせたと言って。でも、それは仕方がない事だと思う。必ず通る道だし。中には最初から気持ちいいと思う人もいるらしいけれど、人の身体は千差万別で。アタシは感じやすいけれど、直ぐに気持ち良くはなれない身体みたい。

 ベッドの端に腰を掛け、背中を丸めて山岡さんが自分の分身をティッシュで清めている。アタシはその背中に抱きつき、「有難う。大好き」と、自分の気持ちを伝えた。山岡さんは、腰に回されたアタシの腕を擦りながら振り向き、「俺も、大好き」と言って、アタシの頭に口付けた。

 それから、アタシ達はエッチな事はせず、抱き合ったり、キスしたり、じゃれ合って時を過ごした。それだけでも、すっごく幸せで。アタシ達はその夜、お互いの温もりを感じながら眠ったのだった。

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