おもちゃのCHU-CHU-CHU★
第36章 幸せな痛み。
(温かいな……)
温もりに身体を寄せ、頬擦りする。
スリスリ……
スリスリスリ……
気持ちいいいな。
でも、ちょっと動き難いかも……。
「んん……?」
前髪を揺らす空気の揺れに目を開けると、そこには山岡さんの顔があって、ニコニコしながらアタシを見ていた。「えっ!?」と思い、思わず仰け反ると、ベッドから落ちそうになって、山岡さんの腕に抱きとめられ引き寄せられる。
「お・は・よっ!」
そう言うと山岡さんは、アタシの額にチュッと口付け、頬擦りする。アタシは何が何だか分からなくて、数秒固まってしまった。
「モリリン? どうした?」
山岡さんが顔を覗き込んで、微笑む。ああ、そうか。昨日は山岡さんのお家にお泊りしたんだったと、寝起きでぼんやりしていた頭が思い出した。
昨夜はよく眠れたかと尋ねられ、頷くアタシ。そう言えば、モヤモヤとか、ウズウズとか全然しないで、いつの間にか眠っていた。
「身体は? 痛くない?」
そう尋ねられて、一瞬、何の事かと思ったけれど、アソコに感じる違和感が、昨夜の破瓜を思い出させて、それの事を言っているのだと思うと顔が熱くなった。