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おもちゃのCHU-CHU-CHU★

第37章 忙しい連休(その2)。


 助手席には父が乗り、後部座席にはアタシと母が乗り込む。前の席では先生と父が、仕事の話や趣味の話で盛り上がっていた。先生は空いている道を選んで車を走らせていたせいか、渋滞に嵌る事なく池袋の駅に着いた。デパートでお土産を買うと言う両親に、付き合おうと池田先生が言うのでついて行くと、池田先生はお菓子を買って両親に手渡した。「珠子さんから、お婆様へ」と言って。アタシは池田先生の気配り振りには、驚いてしまった。仕事が出来る人と言うのは、こう言うところまで、気配り出来るんだって。

 駅で両親を見送った後、先生は「ちょっと出しゃばり過ぎたでしょうか?」と不安気な顔を見せたが、両親は喜んでいたので、「良かったんじゃないでしょうか」と言うと、ホッとして笑顔になった。

 「それじゃあ、大切なお嬢さんをお預かりしたから、丁重におもてなしをしないといけませんね?」

 そう言って先生は笑いながら、アタシを車にエスコートすると、先生のお宅へと車を走らせた。

 「あれ? ご飯を食べに行くんじゃないんですか?」

 「ええ。家に用意してあります。結構、料理は得意なんですよ」

 池田先生は車を走らせながら、そう言った。あまり趣味がないので、身近な事を趣味にしようと思って、料理を始めたらハマったのだそう。今は、蕎麦やうどん等の麺類がマイブームなのだと先生は言う。心の中を空っぽにして、生地を捏ねていると落ち着くからだとか。

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