おもちゃのCHU-CHU-CHU★
第38章 忙しい連休(その3)。
「んん~っ!!」
アタシはイヤイヤと言う様に、首を横に振るが男は手を止めてくれない。嫌だ。このままこの男の指に犯されてしまうの!? 誰か助けて。そう思った時だった。
「おい! 貴様、その汚い手を離せっ!!」
低い怒りの籠った聞き覚えのある声が、頭上から降ってきた。アタシが見上げると、そこには平川さんが立っていて。男の胸倉を掴んで、引っ張り上げようとしていた。
「貴様がこの子にやっていた事、全て画像に収めてあるからな? 顔もバッチリ抑えてある。これを証拠として、今から警察に突き出してやる!!」
平川さんは、そう言うと男の胸倉を引っ張り上げた。男は慌てて、「違う。この子が誘って来たんだ」と言って、弁解を始める。「嘘じゃない、この子のスカートの中を見てみろ!!」そう言って、男はアタシを指差す。確かにアタシは今、下着を着けていなくて。周りから見たら、アタシが誘った様に思われてしまうかも知れない。
平川さんが、声を上げた事で、周りから注目を浴びてしまって、居心地が悪い。それでなくても、平川さんは目立つのに。
「平川さんっ!! いいです。余り騒ぎ立てないで……」
アタシはそう言って俯くと、平川さんは男を掴む手を一瞬緩めた。その隙に男は、店から飛び出して行ってしまった。