おもちゃのCHU-CHU-CHU★
第38章 忙しい連休(その3)。
「あの……。アタシ、山岡さんとお付き合いをする事になりました」
アタシがそう言うと、平川さんは深い溜息を吐いた。そして、アタシから顔を背けると、口に手を当てて何かを考える様に一点を見つめていた。
そんなに広くないウチの居間を、重い沈黙が支配する。息苦しさに堪えられなくて、アタシはグラスを手に取ると、「もう一杯淹れてきます」と言って立ち上がった。
冷蔵庫からペットボトルを出し、お茶をグラスに注ぐ。オープンカウンターからソファの方を見ると、平川さんは未だ、何かを考えている様だった。アタシがグラスを手に持って、ソファの前に戻ると、平川さんは視線をアタシの方へ向け、「ヤマとはもうエッチしたの?」と尋ねてきた。アタシが平川さんの問いに頷くと、平川さんは「そっか……」と呟いた後、急にニコッと笑った。
「じゃあ、もう遠慮はする必要はないよね?」
そう言って平川さんは、ソファから降りるとアタシの隣に座る。遠慮って何の事だろうと、アタシが首を捻って考えていると、平川さんはアタシを押し倒した!
「えっ!?」
「好きな人と最初のエッチは済んだんだから、もう、手を出してもいいって事だよね?」
平川さんはそう言うと、アタシの上に覆い被さり頬を撫でた。そして、「君が誰と付き合おうと、僕は諦めるつもりはないよ」と言って、アタシの唇を塞いだのだった。