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おもちゃのCHU-CHU-CHU★

第39章 接触事故。


 アタシが顔を離そうとすると、山岡さんの手が頭の後ろに添えられ、グッと引き寄せられる。そして合わせた唇の隙間から、舌が入り込んできた。

 「ん……」

 鼻から抜ける、甘い溜息。ここが会社の医務室である事を暫し忘れ、アタシは山岡さんとの口付けに夢中になってしまう。舌で突き合ったり、チュッチュッと軽く唇を触れ合わせたりして戯れていると、"シャーッ"とカーテンが開く音がして、誰かがベッドを覗き込んだ。ハッとして山岡さんから離れて身体を起こすと、そこに居たのは池田先生だった。

 (しまった! キスに夢中になり過ぎて、池田先生が来る事を忘れてたー!!)

 犯してしまった過ちに、アタシはどうしたらいいのか分からずに俯く。山岡さんは起き上がると、平然として先生に「おはようございます」と言って笑い掛けた。

 「朝からお盛んな事ですね。ここのベッドはイチャつく為にあるワケではないのですが?」

 池田先生は、山岡さんとアタシを交互に見ながらそう言った。アタシ達は、キスしていたところを見られたのと、先生の指摘にバツが悪くなって、小声で「すみません……」と謝る事しか出来ない。

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