無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

　アタシは三人が言い合っている間に、こっそりその場を抜け出すと、山岡さんが苦笑していた。そう言えば、山岡さんは新作は考えていないのだろうかと尋ねてみると、耳元で「俺が居るのにオモチャの方がいいの？」と囁かれる。そんなワケない。アタシがふるふると頭を横に振ると、山岡さんはニコリと笑って、「心配しなくても、新作はちゃんと考えてるよ」と言った。

　「あ！モリー、今日こそは俺から試してよぉ～」と、アタシが抜けだした事に気付いた川上さんが、追い掛けてくると、それに続いて平川さんと下出も追いかけて来る。アタシは結局、川上さんに捕まり、川上さんのオモチャから試す事になってしまった。

　「よぉし！ モリー、行くよぉー!!」

　いつになく川上さんが張り切っているのが怖い。川上さんの自信作は下出と並んで、結構、強烈な物が多いからなぁ。平川さんの考えるオモチャみたいに、もうちょっとソフトなのがいいんだけど。

　「何を甘い事言ってるのぉ？ そんなんじゃ最強のオナニー・グッズは作れないよぉ？」

　そう言って川上さんは、アタシの腕を引っ張ると、廊下へと飛び出した。アタシは引き摺られるまま、その後をついて行く。ＡＤ部のあるフロアには、アダルト・ビデオの撮影スタジオが６つくらいあるらしく、それぞれお気に入りのシチュエーションがあるらしい。