おもちゃのCHU-CHU-CHU★
第41章 川上達哉という男(その3)。
「そんなの言えません!」
「じゃあ、今度エッチしてる所、見せてよぉ?」
「嫌ですっ!!」
「ケチィ~」
こんな会話が出来る様になったのも、モリーが成長したからなのかな? それとも、俺に心を開いてくれているから? 後者だったら嬉しいなんて思うのは、どうしてだろう。理由は何となく分かってる。だけど、俺はそれを認めるワケにはいかない。そして求めるワケにはいかない。
友達を色恋沙汰で失いたくないんだ。もう、二度と。
そう言えば、もう直ぐアイツの命日だな。今年は何を供えてやろうか。アイツの好きだった漫画の最新巻。それから好きだった酒と煙草。それから……。
「川上さん? どうかしましたか?」
突然、黙ってしまった俺の顔をモリーが心配そうに覗き込む。俺は何でもないよと言って、モリーに先に事務所に戻る様に伝え、スタジオから追い出した。そして、モリーが零した愛液のシミをティッシュで拭きとりながら、今は亡き親友に想いを馳せた。