おもちゃのCHU-CHU-CHU★
第41章 川上達哉という男(その3)。
高校を卒業し、進学も就職もしなかった俺は、コンビニでバイトをしながら適当に日々を過ごしていた。そこで知り合ったのが、アイツだった。ちょっと変わったヤツで、AV男優になるのが夢。「カリスマ男優に俺はなる!」って言うのが口癖。当然、エロい事大好き。
その頃の俺は性欲の塊みたいなモンで。ヤツの家に行っては、エロDVDの鑑賞会をして抜いてた。それでも足りなくて。見た目はそこそこイケてる部類に入る俺は、街に出てはナンパして、女の子を食い散らかしていた。そんな俺の武勇伝を聞くのは、いつもアイツで。聞くだけじゃつまらないだろうと、何度かナンパに誘ったけれど、「好きな子がいるから」と言って、乗ってくる事はなかった。
恐らく、かなりシャイなヤツだったから、知らない女の子と二人きりになるのが、怖かったんだろう。「AV男優になりたい」なんて言っておきながら、変なヤツだなと思ったけれど、きっとAV男優になりたいと言うのは、冗談だったんだろうと思う。
ヤツが惚れていたのは、同じバイト仲間の女の子。俺は殆ど一緒にシフトに入った事がなかったから、よくは知らなかったけど、いつもニコニコしていて愛想がよく、ちょっと太めだけど巨乳だった。最初はエロ乳に惚れたんじゃないのかと思っていたけど、そうじゃないらしく、以前、急な体調不良でバイトを休んだ時に、彼女にシフトを代わってもらい、更にはバイトが終わった後、看病しに来てくれたところに惚れたんだと言っていた。