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おもちゃのCHU-CHU-CHU★

第41章 川上達哉という男(その3)。


 二人が付き合い出してからも、度々、一緒に遊びに行こうと声を掛けられた。シャイを脱却したんだから、二人で遊べばいいじゃんと言ったけれど、「偶には皆でワイワイやりたいって彼女が言うもんだから」とヤツが言うので、仕方なしに付き合った。

 彼女が連れて来るのは、バイト先の女の子ではなく、彼女の地元の友達とか、大学の友達とかで、顔のレベルは彼女よりも下の子ばかり。見た目て判断するなんて最低かも知れないが、若い男なんて、大抵そんなもんだろう? 心に惚れるのは、相手を知ってからだ。先ずは見た目。それで自分に合うか合わないかを判断するもんじゃないだろうか。

 まあ、別に連れて来た子と俺が付き合うワケじゃないし、その日一日を楽しく過ごす事が出来ればいいのだから、相手はどんな子でも構わなかったんだけど。

 夏になって、海へ行こうと言う事になり、レンタカーを借りて四人で出掛けた時だった。巨乳の彼女は、飛び跳ねたらポロリしそうなビキニを着て、更衣室から現れた。その日一緒に来た子は、華奢で凹凸が余りない女の子。一緒に遊んでいる内に、彼女は自分を引き立たせる友達しか連れて来ないんだと、俺は気付き始めていた。でも、俺の目的は、アイツの付き添いだったし、彼が楽しく過ごせていれば、別に何でもよかった。アイツは彼女に夢中だったし、そんな事をしなくてもいいのになぁと思っていたのだが、彼女の目的は、アイツではなくて俺だったのだ。その事に、その日俺は気付かされた。

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