おもちゃのCHU-CHU-CHU★
第41章 川上達哉という男(その3)。
二組に分かれて、ビーチボールで遊ぼうと言う事になった。普通に考えたら、カップルであるアイツと彼女のペアと、俺と彼女の友達のペアが順当になると思うのだが、彼女はジャンケンでペアを決めようと言い出した。要するに、同じ手を出した人間がペアになるという方法だ。結果は、俺とヤツ、彼女と彼女の友達と言うペアになった。言い出しっぺだから、この時は文句を言わずに彼女もそれに従ったのだが、その後も何かと俺とペアを組みたがっている素振りを見せた。
しかし、俺の運が良かったのか、結局、海で俺は彼女と一度もペアにならずに済んだ。問題はその後だった。彼女達を帰し、アイツの部屋で飲もうと言う事になり、久し振りに部屋にお邪魔した。夜も更けて、そろそろ久々にエロDVDで抜こうかと盛り上がっていると、アイツの彼女が突然尋ねてきたのだ。「もっと一緒に居たくて来ちゃった」と、上目遣いでアイツを見ながら。
俺は邪魔かと思い、帰ると言ったのだが、それを彼女が引き留めた。折角だから、一緒に飲もうと。俺は嫌な予感がしたのだが、酔っ払ってもいたし、帰るのは酔いを覚ましてからにしようと、それからウーロン茶だけを飲んで、酔いを覚ましていた。アイツは自分の部屋と言う安心感からか、彼女に薦められるがままに酒を飲む。そうこうしている内に、ヤツは酔っ払って眠ってしまった。
「あーあ、こんなところで寝たら風邪引くよー?」
そう言いながら、彼女はヤツが起きないかを身体を揺さぶって確認し、起きないと分かると、俺にしな垂れかかってきた。