おもちゃのCHU-CHU-CHU★
第42章 幸せのアフター6。
「何を笑ってんのぉ?」
おしぼりで手を拭きながら、川上さんがクスクスと笑っているアタシの顔を覗き込んで尋ねる。
「いえ、何でもないですけど……。会社以外でもこの並びなのかと思ったら、ちょっとだけ可笑しくなっちゃって……」
「だって、仕方が無いじゃない。モリーを知らない男の隣に座らせたらヤマが怒るしぃ~?」
そう言って川上さんが、チラっと山岡さんを見ると、会話を耳にした山岡さんのお父様が、お通しのナッツを出しながら「えっ? コイツ、そんなに嫉妬深いの?」と興味深々と言った様子で川上さんに尋ねた。
「そうそう、結構、ヤマって独占欲が凄いんだよぉ?」
川上さんが、お父様に耳打ちしようと、口に手を添えて身を乗り出す。山岡さんは、それに慌てて否定をするけれど、何かを耳打ちした川上さんと、それを聞いたお父様はニヤニヤしながら、山岡さんを見た。
「何だよ? 別に、俺、ヤキモチなんて……」
「嘘だぁ~。さっき王子がモリーを誘おうとしたら、全力で「駄目」って言ってたじゃあん?」
「そりゃあ、自分の彼女が他の男に誘われたら、そう言うに決まってんだろ?」