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おもちゃのCHU-CHU-CHU★

第42章 幸せのアフター6。


 「え~? じゃあ、モリーはこの先、ヤマ以外の男と、二人でご飯も食べに行けないのぉ?」

 「そりゃあ、飯くらいだったら、いいけどさ……」

 そう言葉を濁す山岡さんに、察しの良い川上さんは、「そう言う事ねぇ」と言ってチラリとアタシを見る。そして、アタシの耳元でコソッと「あんまりヤマを心配させないでね?」と言った。アタシが全力で頷くと、「宜しくね?」と言ってニッコリ笑う川上さん。川上さんて、本当に友達(山岡さん限定だけど)想いなんだなぁと、アタシは思った。

 「さて、キミ達。何を飲むんだい? それから、お腹空いてる?」

 話題を変える様に、お父様がそう言うと山岡さんはホッとした顔をして、「俺はビール!」と言った。お父様が山岡さんに「一徹は自分でやりやがれ」と言うと、山岡さんはブーブー言いながらもカウンターの中に入って、自分でサーバーからビールを注いだ。仲の良い親子の姿に微笑ましくなる。そして、並んでいる所を見て、やっぱり親子だなぁと感じた。笑った顔なんか、本当にそっくりだ。

 「ええと、珠子ちゃんはアルコールは駄目だったよね?」

 お父様にそう尋ねられてアタシが頷くと、お父様は「それじゃあ、コイツにノンアルコールでカクテル作らせるからね」と言って、山岡さんに場所を譲る。

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