おもちゃのCHU-CHU-CHU★
第42章 幸せのアフター6。
他のお客さんへの注文のお料理も作り終えて、お父様が厨房から出てくると、山岡さんが「バイト代払えー!」と言いながらも、席に戻って来る。お父様が、「んじゃ、今日の飲み代はタダにしてやる」と言うと、山岡さんと川上さんは「ラッキー!」と言って、ここぞとばかりに高いお酒をショットで注文した。
料理に舌鼓を打ち、お父様も交えた山岡さんと川上さんの会話を楽しく聞いていると、山岡さんが「そろそろ、俺達は帰らない?」とこっそりと耳打ちして来た。それって川上さんを一人で残して行くって事だろうか。
(いいのかな。そんな事をして……)
そう思って川上さんをチラっと見ると、川上さんは掌をヒラヒラさせて、「帰ってもいいよ」と言ってくれた。お父様も、「達哉の事は俺に任せろ」と言ってニカっと笑う。そして山岡さんに何かを耳打ちすると、山岡さんは少し顔を赤くして、「余計なお世話だ!」と言って、お父様の肩にパンチをお見舞いした。
何を言われたのかと山岡さんに尋ねると、「「早く孫の顔が見たい」だって」と言われ、その意味が分かるとアタシの顔はボッと熱くなる。それって、これからアタシ達がエッチするって事がバレバレって事だ。恥ずかしいくないワケがない。って言うか、"孫"!? 未だ、結婚もしていないのに!?
でも、考えてみたら、山岡さんは結婚をしていても不思議ではない年齢だし。そう思うと、途端に「山岡さんと結婚したら」なんて、甘い夢を見始めてしまうアタシなのだった。