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おもちゃのCHU-CHU-CHU★

第44章 突然の訪問者。


 「え? 母さん、何処に行ったんだ?」

 「えっとね、町田のおばあちゃんのところ。おばあちゃん、入院したんだって!」

 「そう……なのか?」

 「うん。それでね、ママは今日はおばあちゃんのお家に泊まるから、サユリ一人になっちゃうし、お兄ちゃんのところに泊めて貰いなさいって!」

 山岡さんの妹さんである、小百合ちゃんは元気にそう言うと、山岡さんに満面の笑みを見せ、また腰にしがみ付いた。山岡さんが、困った様子でアタシの顔を見るけど、アタシもどうしていいのか分からない。だけど、このまま廊下に居るのも、他の住人に迷惑になると思ったアタシは、取り敢えず部屋の中に入る事を提案した。

 山岡さんは玄関の鍵を開け、小百合ちゃんを中に促し、メリー・ジェーンのストラップを外してあげる。小百合ちゃんは、後ろに手をつき、両脚を山岡さんの方に投げ出して、彼女の足元に跪いてストラップを外す山岡さんをニコニコしながら見て居た。なんか、小さいお姫様とそれに仕える従者みたいで、アタシの心がちょっとざわつく。

 「ねえ、お兄ちゃん? 後ろの女の人、だあれ?」

 そう言って小百合ちゃんは、アタシの姿をジッと見つめる。その視線は、何だか値踏みをされているみたいで、居心地が悪かった。

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