おもちゃのCHU-CHU-CHU★
第45章 絡まる糸(その1)。
「でもね、たまちゃんからしてみたら、僕には関係のない事かも知れないけど、僕からしてみたら、君が関係する事だったら、僕にも関わる事なんだよ?」
そう言うと平川さんは、カップをテーブルの上に置き、アタシの方に向き直った。そして、膝の上でマグカップを両手で包んでいた、アタシの手を大きな掌で包む。すると、少し離れた所にある診察机に凭れながら、アタシ達の会話を聞いていた池田先生が、アタシ達の方に歩いて来て、アタシの隣に腰を下ろすと「それなら、私にも関わる事ですね」と言って、会話に加わって来た。
「え? 何で池田先生にも関わる事なんですか?」
平川さんが驚きに目を瞬かせながらそう尋ねると、池田先生は「私も平川君と同じだからですよ」と言って、不敵に微笑む。平川さんは、先生の言葉を聞いても、未だ理解が出来なかった様で、首を傾げた。
「ふふっ。分かりませんか? 私もね、好きなんですよ。森脇珠子さんの事を……ね?」
池田先生はそう言うと、アタシの顔をチラっと見て微笑む。そして、「折角、二人きりになれると思ったのに、貴方と言う邪魔者が乱入して来て、今、少し不愉快なんです」と言って、平川さんに冷たい視線を投げた。