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おもちゃのCHU-CHU-CHU★

第45章 絡まる糸(その1)。


 「たまちゃんと二人きりになって、何をするおつもりだったんですか?」

 そう言って、今度は平川さんが池田先生に冷たい視線を投げる。お互いに口元に笑みは浮かべているけれど、逆にそれが怖くて。アタシは、コーヒーを頂いて気分がスッキリしたから、部署に戻ると先生に告げて立ち上がった。

 カップをミニキッチンのシンクで洗い、棚に戻して鞄を手に取り出口に向かう。すると、池田先生が扉の前に立ち塞がっていた。「未だ、行かせませんよ」と先生は言うと、扉の鍵を締める音がガチャリと鳴る。

 「久し振りに治療をしましょう?」

 そう言うと池田先生は口の端を吊り上げる。いつの間にか背後には平川さんが立っていて、アタシは二人に挟まれてしまっていた。これでは、逃れようもなくて。アタシは池田先生に捕らえられると、ベッドに連れて行かれた。

 「不本意ですが、貴方もまぜて差し上げますから、協力して下さいね?」

 池田先生はそう言って平川さんに声を掛けながら、ネクタイを外すと、アタシを押し倒し左腕をベッドに縛り付ける。そして、協力を仰がれた平川さんは、ベッドに近付いて来ると先生と同じ様にネクタイでアタシの右腕を縛り付けた。

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