おもちゃのCHU-CHU-CHU★
第45章 絡まる糸(その1)。
平川さんは池田先生の問いに、少し考えてから何かに気付いた様に目を少しだけ見開くと、「成程ね。先生って見た目と違って、意外とサディスティックなんですね」と言って池田先生の顔を見てニヤリと笑った。池田先生は平川さんの言葉に、心外だと言いながら、ベッドから降りると再び白いカーテンの向こう側へと消え、カチャカチャと物音を立てる。平川さんはカーテンの向こうの池田先生に向かって、「だって、感覚が鈍くなるけど、完全になくなるワケではないんでしたら、イケないワケでしょう? それって結構意地悪じゃないですか?」と言った。
池田先生は洗面器を携えて、カーテンの向こう側から姿を現すと、「別にソコでなくとも、森脇さんの身体なら貴方達が色々と開発しているのでしょう?」と言いながら、アタシの足元付近に腰を下ろした。
「先生、それは……?」
平川さんは、洗面器の中を覗き込みながら、池田先生に尋ねる。すると先生は笑みを浮かべながら、太くて大きな注射器を取り上げた。そして、相変わらず貼り付いた様な笑みを浮かべながら、「これは所謂、"浣腸"ってヤツですよ」と言って、それを平川さんへと見せた。
(え? ちょっと待って!? カンチョウって? えっ? どう言う事!?)
一瞬、その言葉の意味が分からず、アタシの頭はパニックに陥った。
(カンチョウ……? 館長? 官庁? 艦長? え? 何? 何の事?)