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おもちゃのCHU-CHU-CHU★

第46章 訪問者、再び。


 それから、どれくらい眠っていたのだろうか。

 裸のまま抱き合って眠っていたアタシ達は、インターフォンの鳴る音で目が覚めた。山岡さんは、ボクサーパンツだけを穿いて、呼び出し音が鳴り響くリビングへと向かう。呼び出し音が切れ、受話器の向こうの誰かと言葉を交わす山岡さんの声を、アタシは微睡みながら聞いていた。

 暫くしてバタバタと慌てた足音が、ベッドまで近付いてくると、布団を引き剥がされた。

 「珠子、ヤバイ。早く服来て! 小百合が来てるっ!!」

 山岡さんのその一言で、アタシの頭はシャッキリと覚醒し、そして慌てふためく。えっと、下着は? 服はどうしたっけ? 昨日、お風呂場で気を失ったまま運ばれたから、着替えはバッグの中だと思い出し、アタシは部屋の隅に置いてあったバッグのファスナーを思い切り引っ張る。

 その間に山岡さんはクローゼットから自分の服を引っ張り出し、Tシャツとジーンズを身に着ける。山岡さんは、「俺が時間を稼ぐから、慌てなくていいよ」と言いながら、ベッドルームをさっと片付け、アタシと山岡さんのエッチの名残が染み込んだティッシュペーパーをコンビニの袋に詰め込んで、ゴミ箱の底の方へと押し込んだ。

 そうしている間に、玄関の呼び鈴が小百合ちゃんの到着を告げて鳴り響く。山岡さんは、アタシが着替え終わっているのを確認すると、小百合ちゃんを迎える為、玄関へと向かった。

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