おもちゃのCHU-CHU-CHU★
第47章 淫乱珠子の出来上がり!?
(約束……か。そう言えば池田先生からも、メールがあったなぁ……)
池田先生との約束。「週に一度、先生の家に"治療"を受けに行く」という、医務室で交わされた、例のアレである。先生は忙しいから、「週に一回」なんて無理だろうと高を括っていたのだけれど。しっかりと一カ月間の予定を入れられてしまった。平日はなるべく山岡さんと過ごそうと思っていたのに。
ぼんやりとそんな事を考えていると、「ガクン」と大きく電車が揺れ、流れていた窓の外の景色が止まった。
急ブレーキを掛けられ、慣性の法則よろしく、車内の人達は進行方向へと身体が傾きバランスを崩す。アタシは咄嗟に吊皮を掴もうとしたけれど。一手先に、後ろの人がそれを掴んでしまった為、アタシの手は空を掴んだ。
幸い、平川さんがバランスを崩したアタシを抱き止めてくれたけれど。後ろから押し流され、アタシ達の身体は身動きが取れない程に密着してしまった。
(く……苦しい……)
唯でさえ、ラッシュ時の混雑で身動きが出来ないのに。隅に押し流され隣の車両との境の扉に、ぎゅうぎゅうと押し付けられる。平川さんが扉に手を付き、何とかアタシが押し潰されない様にしてくれるけれど。潰れはしないものの、余り効果はなかった。