おもちゃのCHU-CHU-CHU★
第48章 山岡一徹という男(その3)。
俺は親父に電話をして、町田の婆さんの家の電話番号を尋ね、電話をしてみた。すると百合が出て、間違いなく見舞いに行っている事は判明した。だからと言って、全くの「白」とは言えないけど。親父が不審がっていない所を見ると、心配する事はないのかも知れない。
(後は、小百合の身体の傷だな……)
ソファでテレビを見ている小百合の様子を伺う。特に暗い様子でもなく、ケタケタと笑っていた。
百合はどちらかと言えばマセていて、子供っぽい遊びはしないから、怪我をする様な事はしていない筈だから、どこかにぶつけたり、転んで怪我をしたものではないだろう。
そう考えると虐めなのかとも思うが、何せ大人であるモリリンが気押される程の気の強さだ。だから、これも考え難いんだけどなぁ。まあ、モリリンの場合、明るくはなったし、ある程度は言いたい事が言える様にはなったけど、元々は気の弱い子だから、一概に百合が強過ぎると言うワケではないだろうけど。
(今頃、何やってんのかなぁ。ちゃんと家には着いたかなぁ……)
目の前に居ない恋人を想って、俺はそっと溜息を吐いた。いつまでこの状態が続くんだろうか。毎日、会社で会えるとは言え、モリリン不足になりそうだ。