おもちゃのCHU-CHU-CHU★
第49章 治療。
池田先生は、アタシに「どれが食べたいですか?」と尋ねてくれたけど、どれも美味しそうで決められないアタシは、結局、先生にお任せしてしまった。よく利用している人が決めた方が、美味しい物を選んでくれるだろうから。
幾つかのお惣菜をお店の人に注文し、包まれた物を受け取ると、先生のお家まで再び車を走らせる。とは言え、お店からは本当に数十メートルの距離であるから、あっと言う間に着いてしまったのだけれど。
そして、相変わらず地下の駐車場から物置部屋を通り、螺旋階段を昇って玄関へと到着。そう言えば、前に物置部屋に産婦人科で見かける椅子に座らされた事があったなと思い出し、通り掛けにあった場所を見てみたけれど。その椅子はなくなっていて、ちょっと残念に思った。
捨てたのか、もっと別の場所に片付けたのかは分からないけれど、あの椅子を使われる事はないのかな、と。だけど、あのだだっ広いリビングに通された時、部屋の隅にその椅子を発見して、また使われるのだと知り、顔が熱くなった。
あの時は恥ずかしくて嫌だったけど。恥ずかしさの先にある快楽に目覚めてしまったアタシは、それを使われる事を期待している。こんな事は山岡さんには言えないけれど。