おもちゃのCHU-CHU-CHU★
第49章 治療。
「そろそろ、お薬も効いている事でしょう。デザートを頂きましょうか……」
そう言うと、池田先生はアタシを立ち上がらせ、あの診察用の椅子へと誘う。先生はアタシに自分で下着を脱ぐ様に言い、アタシが従って脱いでいると、フルーツや生クリームで綺麗に飾り付けられたゼリーを二つ持って来た。
「何でこんなところで食べるの?」と思ったけれど、先生はそれをアタシに手渡してくれるワケではなく、診察台の脇にあるテーブルにそれを置いた。そして、アタシが下着を脱いだのを確認すると、診察台の上に座らせた。ワケの分からないまま、脚を台に拘束され、腕も頭上で縛り上げられる。
「せ……先生? あの、デザートは……?」
「ふふっ。後で食べさせてあげるから、心配は要らないよ」
先生がそう言いながらボタンを操作すると、診察台の背凭れが傾き、アタシの身体は横になってしまった。先生はテーブルの引き出しを開け、カチャカチャと音を立てながら、何かを取り出す。一つ一つ梱包されている様で、袋から取り出されたそれを見ると、喉の具合を見る時に、舌を押さえる平たいヘラの様な物だった。
「これ、何て言う名前だか知ってます?」
先生はそれをアタシに見せながら尋ねてきたが、そんな器具の名前なんて知っているワケがない。アタシが首を横に振ると、先生はそれの名称を教えてくれた。「舌圧子(ぜつあつし)」と言うのだそうだ。物を知るのはいい事だけれど、普段の生活に使わない用語だよね。