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おもちゃのCHU-CHU-CHU★

第8章 池田悠と言う男(その1)。


 今日一日で、色んな男の人にエッチな事をされたアタシは、過剰に反応してしまい、後ずさる。すると先生は、また身体を捻って肩を震わせて笑った。

「大丈夫ですよ。何もしません。貴女の後ろに鞄があるんです」

「あ……。すみません」

 そうだよね。長々とアタシの話を聞いてくれた人に、何て失礼な態度を取っているんだろう。申し訳ないなと思いながら振り返ると、棚に先生の物と思われる鞄があったので、それを先生に手渡す。

「それで、どうしますか? そろそろ、ここも締めなければならないのですが……」

 先生は鞄を受け取ると、鍵を見せてそう言った。

「まあ、断られても、無理矢理連れていきますけど」

 そう言って笑いながら窓の戸締りを確認すると、先生はアタシの腕を掴んで歩き出した。

 結局、アタシはマイカー通勤の先生の車に乗せられ、夜間診療を行なっている、先生の知り合いの眼科に連れていかれ、使い捨てのコンタクトを買う事になった。

 どうやら、アタシの服をAD部に引き取りに行った時に、高槻さんに頼まれたらしい。診察料も、コンタクトレンズの代金も高槻さんから預かっていたのだと言う。

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