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おもちゃのCHU-CHU-CHU★

第50章 【番外編】真夏の出来事(その1)。


 下出もアタシと同じで、「仕事だから」と言われて連れて来られたのかもしれない。まあ何にせよ、アタシが気にする事じゃないよね。

 平川さんに手を引かれて海沿いに海岸を歩き、日除けの為に張ったシートまで辿り着く。日陰となったシートの下では、川上さんと山岡さんが肩で息をしながら、「大の字」になって横たわっていたのだけど……。二人共、何も着ていなくて目のやり場に困る。そう思ってから気付いた。そう言えば全員、素っ裸だった事に。

 アタシは恥ずかしくなって、皆さんに背を向けてしゃがみ込んだけど、「何を今更」と笑われた。そして引き摺られる様にして、シートの下へ座らせられる。日除けのシートの下には、砂が身体に付かない様にと、同じ様なシートが敷かれ、その上にはタオルケットが二枚程敷かれていた。ビニールシートだと、接触している部分が汗を掻くからだろう。なかなか良いアイデアだと思う。これも直ぐ傍にコテージがあるお陰なんだろうな。普通だったらバスタオルかパレオを敷くくらいだもんね。

「おー、戻って来たな? んじゃ、早速モリリンにオイル塗ろうぜぇ?」

 肩で息をしていた山岡さんは、アタシ達の姿を見るなり身体を起こすと、そう言って日焼け止めジェルのボトルを手に取った。

「でも、ジェルを塗ったら、舐められないんじゃないのぉ? また、海で洗うつもりぃ?」

 川上さんは身体を捻って寝返りを打つと、肘をついて上半身を起こしてそう言った。川上さんの言葉に山岡さんは「それもそうか」と頷き、ボトルを巾着袋に仕舞う。いやいや。舐める事を前提に話が進んでいませんか? いや、もう、やる気満々なんですか!?

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