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第50章 【番外編】真夏の出来事(その1)。


「そうだよぉ? ほら、見てぇ? モリーのエッチな声を想像しただけで、俺の息子クンが元気になっちゃったぁ」

 川上さんはそう言うと、視線を自分の股間に向ける。皆が釣られてそこに視線を移すと、川上さんの息子クンは、血管を浮き上がらせながらピンと背筋を伸ばして起立していた。手があったら、きっと指先までビシッと伸びているに違いない。それくらい微動だにしない。

「うわぁ……。何なの? そのやる気。ホラ、モリリンが引いてるぞ?」

 そう言って山岡さんが、呆れた顔をして川上さんの息子くんを指先でピンと弾く。

「とか言いながら、ヤマだって勃ってるじゃあん?」

 今度は川上さんが、負けじと山岡さんの息子クンをギュッと握った。

「うぉ!? ちょっ!? 何でいきなり握るんだよ? 痛ぇだろ?」

「俺のだってぇ、指で弾かれたら痛いんだよぉ?」

 あーだこーだ言いながら、いつもの様に二人のジャレ合いが始まる。本当にこのお二人は仲が良いよね。もう、付き合ってしまえばいいのに……って時々、思わずにはいられない。そりゃあ、アタシは山岡さんの事がいいなぁって思っていたけれど。初めてのエッチは山岡さんとだった。しかし色々とあって、特定の人は作ってはいけないと言う禁止令が出てしまった。一人の人に決めてしまうと、仕事をするのが辛くなるだろうと言う、坂内部長や高槻室長の判断で。

 お二人の判断は、アタシの為を思っての事だと思っていたのだけれど、実際はそうではなかったらしい。アタシが一人を選んでしまうと、男性陣の仲がギクシャクしそうだから──と言うのか、お二人の見解だった。

 アタシが誰と付き合おうが、皆さんにはダメージも何もないだろうし、ギクシャクとかしないと思うんだけど。

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