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おもちゃのCHU-CHU-CHU★

第51章 【番外編】真夏の出来事(その2)。


 林の中に足を踏み入れたアタシは、始まる前に高槻室長から頂いた地図で位置を確認する。今年初参加のアタシと下出だけに渡された、簡単な手書きの地図だ。それを頼りに水辺を探す。小さな島だし、川らしき物はどうやら無いらしい。アタシの武器の利点は、射程距離が長い事と、弾(水)の補充が簡単に出来る事。下手な鉄砲も数を撃てば当たる筈。兎に角、水辺で隠れる事が出来る場所を探さなくちゃ!

 アタシは辺りに注意をしながら、奥へと進む。風が立てる音にビクッとしたり、小鳥が飛び立つ音にドキッとしたり、心臓がもたないよ。心なしか、緊張でいつもより汗を掻いてるし。撃たれる前に服が溶けてしまわないか心配だ。けれど、Tシャツは汗を吸い込むけれど、直ぐに乾いてしまった。成程、一度に大量の水を浴びなければ溶けてしまわないらしい。でも、唯の白だから、林の中で目立つんだよね。どうして緑色や土の様な色に染色しないんだろう。まあ、恐らくはサンプルだからなんだろうな。

 昨日知った事だけれど、高槻さんのご友人が、やっぱりお金持ちで個人で島を所有しているらしい。そこは特殊な趣味を持った人の為の会員制のリゾート施設なのだとか。特殊な趣味と言うのは、「スワッピング」──所謂、パートナーを交換してエッチな事をするアレである。そこに、このシステムを導入する企画があるらしく、まあ、これはテストみたいな物らしい。坂内部長は「仕事じゃない」と言っていたけれど、やっぱりお仕事に絡んでいたんだ。そう思ったら、真面目に取り組まないとね。

(それにしても何処か水がある場所があればなぁ……。部長に訊いてもいいかな?)

 アタシはインカムのスイッチを押すと、坂内部長に交信を試みる。部長は直ぐに応答してくれて、アタシの居る場所から、北へ進んだ所に湧き水が出ている場所があると教えてくれた。アタシは部長にお礼を言うと、周りを警戒しながらその場所を目指して歩いた。

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