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第51章 【番外編】真夏の出来事(その2)。


「俺等は男だし、身包み剥されても何もされないけどさ。モリリンは女の子だから、身包み剥されてその場でエッチな事をされちゃうだろうなぁ……」

「えっ……?」

「ほら、このゲームの企画って、スワッピングでしょ? だから、狙った相手を脱がせる事が出来れば、エッチはOKだからね」

「まあ、俺達だってさ、モリリンを脱がせて独り占めしたいけどね。でも、それ以上に守りたいんだよ」

 そう言うと山岡さんは、優しい目でアタシを見つめてスッと髪を撫でる。いつもの頼りになる「お兄ちゃん」の顔だ。

「僕達はキミの盾だよ。どんな事をしてもたまちゃんを守り抜くからね?」

 平川さんはアタシの手を取り、口付けを落とす。その仕草はまるで王子様か騎士様かってくらいに素敵でドキドキしてしまう。

 ああ、駄目だ。雰囲気に飲まれそう。このまま、ここで全てを委ねたくなる。だって、二人共カッコいいんだもの。どうしてそこまでしてアタシを守ってくれようとするんだろう。いつも、いつも。

「そんなの決まってるでしょ? やり方は違うけど、皆、たまちゃんの事が好きだから、だよ?」

「そうだな。カワにしても、高槻室長にしても、下出にしても……。皆、モリリンの事が好きだから、手を出したくなるんだろうな」

「えっと……。アタシにそんな価値は……」

「あるよ。モリリンは自分を過小評価し過ぎだ。まあ、そこが好きなんだけどな」

「そうだね。あざとさが無くて惹かれるのかも。」

 「あざとい」かぁ。でも、世の中の男の人って、そう言うのにも簡単に騙されているんじゃないだろうか。

「そんな事はないよ。要は個人の許容範囲だよね。好きになってしまえば、そんな事すらも可愛く思えてしまったりするし」

「まあ、俺達は色んな女の子のあざとい面を見て来てるからな」

 そう言うと山岡さんは、思い出した様にクスクスと笑う。それが特定の誰かを思い浮かべているのかが気になったけれど。近くで聞こえた悲鳴に、一瞬でその場に緊張が走ったので、訊く事は出来なかった。

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