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おもちゃのCHU-CHU-CHU★

第11章 試着室の中で。


「ねぇ、貴女、何ちゃん?」

 店長さんは、店の奥のフィッティング・ルームの中にアタシを促すと、扉を閉めて尋ねてきた。アタシは「森脇です」と名乗る。

「私が訊いているのは、ファミリー・ネームじゃなくて、ファースト・ネームよ。私は、頼子(ヨリコ)。貴女は?」

「珠子です……」

「珠子ちゃんね! 宜しくね?」

 そう言うと店長さんは、アタシのスーツのジャケットの釦(ボタン)を外し始めた。

 これはヤバイ。だって、ブラジャーの中に隠れているとは言え、山岡さんに付けられたオモチャが付いているのだ。万が一、バレたらとても恥ずかしい事になる。

 変態の烙印を押されるかも知れない。それは勘弁して欲しいと思う。

「えっ! じ……、自分で脱げます……」

 アタシはそう言って自分の身を庇う様に店長さんに背を向ける。しかし、店長さんは後ろから手を回し、アタシのジャケットを剥いだ。

「ふふっ。珠子ちゃんて、華奢なのねぇ? それに色白で……。お肌も滑々ね?」

 そう言って店長さんが、アタシの項(うなじ)をスッと撫でる。突然、肌を撫でられて、アタシは変な声を上げながら、飛び上がってしまった。

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