おもちゃのCHU-CHU-CHU★
第11章 試着室の中で。
アタシはその言葉に、茫然とした。いつブルブルするのか、ハラハラして怯えていたのに。精神的によくないですよ。意地悪過ぎですよ。山岡さん。
アタシは恨みを目に込めて、山岡さんをじとっと見ると、山岡さんは悪びれもせずに、「お仕置きって言ったじゃん」と言ってペロッと舌を出して見せた。
「お仕置きって? 珠子ちゃん、何か悪い事でもしたの?」
話が見えないと言うように、首を傾げながら店長さんが山岡さんに質問を投げかけると、山岡さんは頷いた。
「モリリンてばさー、昨日、俺達がプレゼントした、下着とスーツを身に付けて来てくれなかったんだよ」
「あら、それは駄目ね。気に入らなくても、頂いたんだから、一度は着て見せてあげなくちゃ」
山岡さんの話を聞いて、店長さんはアタシを窘(たしな)める。
「そう言うものなんですか?」
「それが礼儀よ。更に喜んで見せてやれば、男なんてホイホイ色んなものを買ってくれるわよ?」
そう言って店長さんがニヤリと笑うと、山岡さんは両手で口元を覆って可愛い子ぶったボーズをしながら、「頼子さん、怖い」と言って上目遣いで店長さんを見る。
「煩いわね。ヤマちゃんだって、そうやって女の子に貢がせていたクセに……」