おもちゃのCHU-CHU-CHU★
第12章 川上達哉という男(その1)。
しかし、「友達」と呼べる人も作れないアタシが、「恋人」と言う存在を作れるワケがない。
そうなると、アタシって一生処女のままなのだろうか。もう、誰でもいいから、奪って貰うしかないのではないか。そんな事を考えてしまう。
何故なら、アタシが処女のままだと、試せる商品が限られてしまうからだ。それでは、会社に貢献出来ない。でも、適当な人に奪われて、後で後悔をしたくもない。
アタシは川上さんに言われた、事をそっちのけで、他の事を考えこんでいた。
「モリー? 書けたかなぁ?」
川上さんに後ろから覗き込んでそう言う声に、ハッと我に返る。
「ええー!? 白紙なのぉ? 何も思い浮かばないって事?」
「いえ……、あの……、他に考え事を……」
バツが悪そうにそう言うと、川上さんは眉尻を下げて困った様に笑いながら、「これは宿題にするから、明日までに書いてきてね」と言ってくれた。
その言葉に、アタシはホッとする。言われた事が出来なかった事を理由に、何かされるのではないかと思ったからだ。しかし、川上さんの口からは、山岡さんの様に「お仕置き」と言う言葉は出てこなかった。出ては来なかったのだが……。
「じゃあ、悪いけど、上を脱いでくれる?」